夜更けの海沿いには 魔物が潜んでいる 感傷を囮にして波際へ誘う 彼方に煌めくハイウェイ 甘い香りがした 顔も見えない暗闇に二人 どうせ続かないから 此のままがいいねと 曖昧な心にまた少し嘘をついた あなたの手を取るには いつも遅すぎてさ ああ こんなのは ただの言い訳 あともう少ししたら さよならを言わなきゃ 引き止めてなんて言えないしな 薄い氷の船に乗って どこか遠くへ どこか遠くへ 引き返すことのない様に どこか遠くへ どこか遠くへ 行きたかったな 近付く程に見える素顔を 愛しく思うたび 言葉の通りにはもう 求めていないような気がした 後ろ暗い衝動は 他愛もなく 言い訳に変わり彷徨い ああ 見透かされそうで 目を逸らした 夜明けの海沿いには 平穏が戻ってゆく 葛藤も足跡も波に攫われて 一夜の気の迷いは 甘い香りがした ああそんなのもう 忘れたいのに 思い出はいつも綺麗なまま もう大人だし 壊れるまでなんて溺れない お互い様 またいつかね 別れ際にキスもしないで 行かないとさ 薄い氷の船に乗って 薄い氷の船に乗って どこか遠くへ どこか遠くへ 引き返すことのない様に どこか遠くへ どこか遠くへ 行きたかったな 行きたかったな どこか遠くへ 薄い氷の船に乗って