長い長い冬眠だった 筑紫目を覚ませ春うらら この作品はフィクションで 実在の人物、団体では ございませんので ご承知置きを 満たされない ああ満たされない 異形に成りて早幾年 癇癪の末 食い寝るだけの 化け物とはこれさもありなん 寂しい気持ちはひどく美味しい さめれば夢のようなお味 永い永い一瞬だった ぎゅってなる胸の奥 はらりはら 何を今更 寝乱れ髪に金壺眼 満たされた ああ満たされない 花占いに四つ足の化け物 せっせっせのよいよいよい あくせく現世探訪 想い出の神社や公園 フードは目深にかぶってナンボ ご存じのように幸せは甘い この胸の痛みに成る蜜もひどく甘い もう味もわからない 君の声を食べ尽くすまで どくん、どくんと鼓動が鳴る これは少し苦いお味 永遠のような一瞬だった そうだ あれは はらりはら 小箱の中 肯綮に中たれや彼は誰時 間に合わない もう間に合わない ことを春と呼び今詠むのだ 「筑紫目を覚ませ春うらら」 はらりはら 何を今更 寝乱れ髪に金壺眼 満たされた ああ満たされない 花占いに四つ足の化け物 この作品はフィクションで 実在の人物、団体では ございませんので ご承知置きを