手に触れる波の心 誰も知らない 花添えた丘の声 誰も知らない 生まれた街が 小さく見える 卒業の春がゆく 20世紀の果てで育った 父や母の愛で… ひこうき雲の空の下 夢見つめて来た 例えば恋 例えば未来 胸に抱きしめながら 見つめ合うあなたの祖国 私は知らない のぞき込む青い瞳 優しいけれど 嵐の夏を いくつも越えて 巡り会えたふたり 豊かな国の南遥かに 風が運んだ愛で… 星の願いがかなう夜 教会に咲いた 桜によせて 交わした誓い 胸に抱きしめている 打ちよせる波の心 今は知らない 野を染めて黄昏れてゆく 悲しみさえも 海原を見る老人の影 穏やかに過ぎる現代 命の意味を確かめている 古い杖の先で 私もやがて母になり 夢伝えるだろう 明日を生きる 子供たちに いつも微笑みながら いつか波のワルツを