「男のひとは分らないけど 10代の階段を登り切る最後の一歩は 女の子にとって心の事件です。 8月18日 麻衣子は20番目のカレンダーを 目を閉じてめくります」 すれ違う人が何故だか とても懐かしい おそらく二度とは逢わないはずね 夏の夕暮れ… 淋しさじゃなくて 淋しさに似た胸騒ぎ 袖なしのシャツの肩から胸に 風が静かに滑り込む 20番目のカレンダー すくんだ指でめくる時 誰にも言えなかったこと 誰かにそっと話してみたくなる 頬ずえ支えた微熱の頃が過ぎるのね 20歳(はたち)の扉に手をかけながら 最後のパズル解いてるわ 20番目のカレンダー 季節の回転扉(ドア)が回る時 少女のいちばん長い日 誰も知らない街角で終わるわ