凪いだまま ハルが揺れる 無いはずの 在るが叫ぶ 許せないままの身体 どこへ向かえばいい もう一度 思い出せるかな あなたがいたこと 千年後の今日も そうだって ここにいられるいましか 会えないから もうきっと 誰の言葉のなかにもいない あなたに さよならをした日に 嵐の奥に見た稲妻は 寂しさを抱えた僕らみたい よく似た傷のように光る 書いたそばから 嘘になっていくみたいだった その姿の消し方と 言えなかったこと いつの間に空で言えるくらい 呆れるほど繰り返した歌を もう誰の手も 灼熱の陽も 差し込むことの叶わない海に 溶け切って 喉をなくした あなたのことも 何故 知っているんだろう どこにいるの ここにいるよ そうだって ここにいられるいましか 言えないから もうきっと 誰の言葉のなかにもいない あなたに 遠回りしたけど 足音が聴こえる 歌えるよ 禾穂を撫でる風と一緒に いま 誰かが消した歴史で 大丈夫 一人じゃないから 離れても ここにいる もう/まだ いま 誰の言葉のなかにもいない あなたと 置いていかないよ ほら 隔たりごと抱いていられるよ 誰が忘れても 僕は覚えてる 涙みたいに夜を流れる