どうして 夜は長くて こうして破れた地図を眺めているの 読めないほどに掠れて 約束も忘れて 迷子のままで 寂しさも 気が付けば友達さ なんだかんだ平気だよ でも今度ばかりはいつまでも 奥の方が痛むんだ 誰がそこで泣いているのかな はなして 現在から取り残された夜には 秘密の魔法をかけなおそう 雨の歌がすべてを 洗い流すことはなくても その傷を磨くよ どうして こんなになっても 今も生きていて 呼吸は続いていて どうしようもないほどに 胸が苦しいのに 手紙を書くの 問いかけるように その傷も 覗き込めば光るだろう そうやってここまで来たんだよ そう今度ばかりは あの時みたいに 見失わないように それが嘘になってしまわないように そこであなたが僕を 待っていなくても ここから動けないよ ここで歌っているよ 早すぎたどころか 待ち合わせてもないのに 話を聴きにきたんだよ 聴かせて 現在から取り残された夜にも あなたの歌は忘れなかったよ 雨の歌がすべてを 洗い流すことはないけど その傷を探すよ いつかあなたと ここに置いた歌だけを盾に 生き延びていくんだろう いつかあなたと 少し過ごした季節に書いた歌だよ 忘れてしまってもいいよ はなして 現在から取り残された夜には 秘密の魔法をかけなおそう それぞれの影をなぞり 何度も確かめるように その傷は歌うよ この道の果てに 何もなくても その時 隣にあなたがいなくても あなたが忘れてしまったとしても あなたがあなたじゃなくなっても