はじめての愛も はじめてのキスも はじめてのアレも 全部返してよ なんて嘘だよ また会うための口実に 返却期限は 延長に延長重ねて 催促の文字すらも欠伸 差し押さえたい左手は 誰かの横に あなたにとって 私は旧作?準新作? せめて名作の棚に返してよ 全米が泣くような恋じゃなく 六畳間の背伸びでも ふたり過ごした時間は すべてが名画みたいで どんなワンシーンにも涙が出るの 「ここ笑うとこだよ」なんてさ 隣で茶化す君に 買い取ってほしい なんて言えずに そういえば君のはじめての恋は 聞いたことないような 知りたくなってさ 居てもいられず 旧作の棚を巡れば 見たこともない表情と 認めたくもない感情に 思わず息を呑む 返却するのは私の方だったんだね 私にとってあなた 色褪せない名作 いつも続編の予告待ち侘びた でもそろそろ打ち切らなきゃ この心臓はいつまで 貸し出せばいい? 好きだった 好きだった 好きだった 好きだった 好きだった でもダメだった ダメだった ダメだった ダメなんだ ダメなんだ 「あなたは今日も 他の誰かに会いに行くんだね」 あなたにとって私は旧作?準新作? せめて名作の棚に返してよ 全米が泣くような恋じゃない でも確かに愛してた ふたり過ごした時間は すべてが名画みたいで どんな ワンシーンにもほころんじゃうの 「ここ泣くところだよ」 なんてもう! 隣で茶化す君を 閉店間際 棚に返すよ 元気でね