「私もう、必要ないんだね」 傷つけないようにわざとおどけて 見せた あんなにそう、数えきれないほどに 愛し合った夜も 朝も昼ももう来ない 「待って」なんて縋って笑える 「なんで?」 なんて聞くことすらもう 許されないよね 「好きだったから 好きだったまま さよなら」 なんて曖昧な 聴こえのいい台詞だけを 残してずるいよ 「好きだったなら 好きだったまま このままじゃダメなの?」 喉元に出かけた声は 沈黙にかき消された 君はもう、どこにもいないんだね 駅前のベンチにも 初めて会ったカフェにも 並んで見た 星空が綺麗だよ 柄にもない言葉 いくらでも出てくるの 傷つけあい 裏切りあい 憎しみあい 重なりあい 慰めあい 生きる意味を知った でも 「綺麗なままで 思い出に鍵かけるね」 なんてありがちな ドラマみたいな台詞では 語れないはずでしょ 「好きだったなら 好きだったまま このままでいいのに」 子どもの私にはわかんない さよならを唇で塞げない 「ありがと」なんかいらない 「ごめんね」さえもいらない 「好きだよ」 なんか一番怖くて痛いんだよ 咀嚼せず飲み干した 優しさは喉が乾く 「好きだったから 好きだったまま さよなら」 なんて残酷な オブラートに包んだ”大嫌い” 飲み込めない 「ほんとに好きだったなら 好きだったまま 忘れられるはずもないから」 優しい毒で焦らさないで 今すぐに首を絞めてみせて