月並みぐらいでいいから 愛されすぎも困りもんだってもんだ 浮わつけるぐらいの引力で クレーター避けて歩いてく 深みに嵌まる前に侍らせた方が 傷つかないし 満ち欠けして駆け引きした 失くす勇気もないまま 繰り返しの 繰り返しを 繰り返した 「そばにいたい」なんて あのとき素直に言えたら 今頃あなたと月を見上げて? 「忘れないで」なんて 言えるはずもない二人は 変われない変わらない あの日のまま夢を見る 雲の後に隠れたって 切れ間を覗き込んでおいでって 呼んで 見つけ出してね "此処にも心にもあらで かくまかるに 昇らむをだに 見送り給へ”ば 幾何のさよなら 「そばにいたい」なんて あのとき素直に言えたら 今頃あなたと月を見上げて? どんな言葉も足りないぐらい 今はあなたが恋しい 「行かないでよ」なんて ぎゅっと握り締めていたら 今宵は流れる星に跨って? 月並みな台詞も言えない 僕ら互いを偲ぶんだ "心にもあらで 憂き世に永らへば 恋しかるべき 夜半の月"灯せ 厭世の泡沫