始発電車 渋谷駅 薄暗い 帰り道 京王線のホーム 財布の中をのぞいた 小さな ため息 電車の中 向かいで眠る彼は 夢の中で 笑っているのかな 僕は夢を 見られずに 眠れないまま つり革を眺めた どれだけ眺めても 夢はぶら下がっていないのに 揺れながら変わっていく景色 どれだけ叫んでもこの声は届かない 夢物語よ ちっぽけなこの僕をどうか 置いていかないで コンビニの 窓ガラス 映る自分の姿に なぜか悔しくて 消えそうな夢 強く握りしめた 小さなプライドと自分の弱さを 引きずったまま歩く帰り道 鍵を開けると 希望の見えない 暗くて狭い ワンルーム 「いつか、きっと」の未来は まだ眠っているみたいだ なんども描いてはまた消えていく 傷だらけの東京夢物語は 行き先のない満員電車と共に今日も また動き始める 揺れながら変わっていく景色 どれだけ叫んでもこの声は届かない 夢物語よ ちっぽけなこの僕をどうか 置いていかないで 置いていかないで