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尸者([Live at Sound K Fukuoka, 8 May 2024])

Track byParvane

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  • 2024.09.06
  • 9:40
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歌詞

「烏《からす》が黒い」の対偶は、 「黒くないものは 烏《からす》ではない」である アイルランド系イングランド 男性の配偶はUSA 国籍の日本女性である 黒い鳥に飛ぶように促す曲が 収録されている白いアルバム 別のアイルランド系イングランド 男性が訥々《とつとつ》と弾き語る 「アイルランド人は西欧の黒人」 かもしれないがアイルランド人は 黒人ではない イングランド人はインド人を アイルランド人と 見做さないために別の生贄を 探したい 「アイルランド人は西欧の黒人」 の対偶は、 「西欧の黒人でないものは アイルランド人ではない」 である が この調《とな》いは未済《みさい》 次の羊が屠られるにはまだ 一画足りない 硯砕けてもう五日 墨の無い書房の時間 虚《うつ》けた不得手の足し算 面《おも》の表に 映えたのはもう何時か 澄み切った朝《とも》の雪花 融けて射干玉《ぬばたま》 ああ誰《たれ》が留め措けたか 何も描かれてない九相図の真贋を 言い争う 眼《まなこ》すら 開いてない坊やたちなりの鑑賞法 その世にも稀なる至宝が独りで 造られたとでも? ならば導いてやろう あの名すら無い匠どもの方 その話、誰から訊きました? もう随分噂にもなってなかった 気がした いや私も自信がないんですが、確か 明日の宵ごろじゃなかったかしら とは言ってもね、 ここら一帯の営みは もはや昼も夜も無いもんだから どこか山っぺりで手頃な 猿《ましら》でん取っち来て 備えたがよか 真実ならば計りか何かで 目方《めかた》いくらか測れようが 隠逸《いんいつ》なまま 知らばっくれよって 行方眩ました 慮外者《りょがいもん》が またぞろ岸辺で漁《すなど》って 裂いた鰯を鬻《ひさ》ぎようか 死臭隠すべく堆《うずたか》く 積まれた 魚どもの重さを測るには 一画足りない 計りの針が無い 帳尻が合わない 一画足りない 草臥《くたば》った者どもの塚 覆しても探し物が 見つかりませんか? 愚弟さん あな口惜しや あなたの姉の音《ね》は 謀《たばか》られた阿呆どもが 捏ね上げた土器《かわらけ》が 砕けちる際《きわ》の 噬臍《ぜいせい》 屠られるまでには未だ一画足りない 腐《くた》す身を平《ひら》に押し 延べて 喚ばう文《ふみ》の音《ね》が 響《とよ》もす 差し出す男《おのこ》に名はもはや 無い 知らぬ弟《おと》の便りが吃る 届くこと信じて疑わぬ便箋の 実《げ》にも思い上がり 甚だしい赤心を いっそのこと焼いて焼いて焼いて 黒ずませよう 白くも在れぬ 無様晒すがその身に相応 仄《ほの》めくお前は 何者にもなれない 灰となるにさえまだ二画も足りない 焔《ほむら》に 舐めてもらえるだけの肉さえ 持たない 垣間見るだに闇は極まりお尻が懐胎 妙なる 音《ね》の手練《てだれ》たる 姉の殉《とな》いに 会えてもなお悟らぬ徒《あだ》し 男《お》の隣に お前どもの寝ぐらごと焚き付ける 藁火《わらび》 の周りで燥《はしゃ》ぎ回って暖を 取る童《わらし》 よく寝てよく喰べて何よりもよく 笑い そのうち童どもが自ずと催す 歌垣《うたがき》 尸者どもの行列に終わりはなく 背と腹かえながら輩と居並ぶ 尸者どもの行列に終わりはなく 確《しか》と聞こえはした 韻律に学ぶ 姉の詩は誰の死で 弟《おと》の音《おと》は 漫《そぞ》ろ言《ごと》 黒かった烏が死んで 昏くなったように お前もまた新たな色を 帯びてここに来た ひとつの生を終えた者がかろうじて 与る褒美 その証を取ってこい 私たちは豊かだった こちら側に移行したならば もう前の世のことは手遅れだ しかし誰もが 忘れたことをお前だけが憶えている 夜にも似ない黒さでお前だけが 響かない その音に刻まれた名前をここで 焼きなさい 屠られるまでには未だ一画足りない

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