イヤホンをはずせば 街並の光を きみはまるで瞳に 散りばめた女王のように 朝一の人波 さからうと 混んだプラットホームは ダンスフロアさ 伝説のような各駅のマドンナ どこにだっているきみが 他の誰より好きさ 眠い目に めかくしして ラジカセ持って ついて行きたい そんな気分さ 年上だっていい 年下だっていい 電車とホームのすきま ヒールのかかと はさまってきみは焦りだす 毎朝 忘れてたまなざしを浮かべて ドアが閉まる 流される毎日に ベルが鳴る 乗り越して 窓越しに見つけた きみはいつも まぶしそうにまゆを細め 笑ってるだけ 半月もたつとくせもいろいろ知って 次は何をするのか 目をふせても想像がつく 来週は髪をみじかくして 笑い足りない風になってしまうのさ 見かけよりひとりで よくいるねマドンナ 決まったように恵比寿で 高い空を見上げる 網棚に背伸びをしたら緩い陽差しを 泳ぐ魚になってしまうのさ 年上だっていい 年下だっていい 名前さえ知らない ただそれだけで 今は不思議だよ胸が弾む 毎晩 時間より遅くまで 仕事をひきのばして この席で新聞をひろげてる 星のでるこんな日に決まって つかれはてて 眠りこける きみをそばで 見つめてるだけ 年上だっていい 年下だっていい 階段をとばして かけおりるきみの 髪がほどけて まぶしすぎる 明日もとどかないまなざしを 浮かべてドアが閉まる 流される毎日に ベルが鳴る 混みあった ふた駅のあいだに雲が切れる ぼくはきみに しぶきをあげる魚になりたい 流されそうな時をはねる 魚になりたい
