路地裏 猫の声 きしむ階段をのぼれば 風呂のあたりからの灯りが見える 君のスカート分け入って 13時までまた眠って いつしか掛け布団奪われている 「海へ行こうよ」なんて言って 結局、部屋で鍋を食っている 数え切れぬ夜が更けてゆく 先を歩く誰かの連れた犬の尻眺めて 笑うたび目尻の皺は増える 悲しみも怒りも やがて薄れ残るものを 幸せと呼ぶことを許すとしよう 勝手知ったる町をゆく 自由な歩幅で 合わす呼吸がなければ 僕には何も気付けないな 派手なスカート買ってみて 結局、棚の奥眠っている 次の夏までには忘れてる 勝手知ったる町をゆく 狭めた歩幅で 君の呼吸さえあれば 他には何もいらないんだ 鍋を温め直して 25時にふたり啜っている だらしなく太り腹はたるむ いつか向こうで待っていて その時まで手は繋いでいる 笑うようにふたりは老けてゆく 路地裏 猫の声 きしむ階段をのぼれば 風呂のあたりからの灯りが見える