雨が燦々と肩を濡らした 手首の傷を舐められているみたいに 赤い傘差していた午後を睨んだ 風を切る少女が目の前を過ぎるんだ 古い看板 汚なくて読めない 小さい傘じゃ 濡れないみたい 風 吹き抜ける春は 雨 匂いを残して 傷跡は消えちゃいない さらばあの日の私を見た貴方へ 複雑に歪んでいた線を直した 頭の中を覗かれているみたいに 徒花積みあげたみたい顔で 風を切る少女の目の前を過ぎるんだ 風 吹き抜ける春は 雨 匂いを残して 傷跡は消えちゃいない さらばあの日の私を見た貴方へ 風 貴方の匂いと 雨 それを流して 傷跡はカサブタへ さらばあの日の私をみた さらば思い出は彼方へ さらば私が愛したこの世界へ