改札口で振り返って 高く右手をあげて 大きく息を吸い込んで君にさよならと言った 背のあまり高くない君は人ゴミの中消えそうになる スーツとスーツの隙間から少しだけのぞいた君の顔 僕は見たんだ 確かに君は泣いていた ピンと伸ばした背筋に君は強がりを見せて 一度だけ吸った唇にせつなさをのせて 今 君が好きだと言ってくれたら大事な物全部捨ててもいい さあ 迷わずにここにおいでよ後ろなんか見なくていい 大丈夫さうまくいくよ 君とならうまくいくよ 「ここで私が泣いてしまったら 涙が乾いた時に こんなに近くにいたあなたの事が思い出に変わってしまうから」 「あなたへの気持ちだけは今日で終わらないから」 君は泣かないと約束したけど 僕が階段に消えてしまったら 外していた指輪を元に戻して 涙が乾くのを待って 僕の知らない誰かの腕 戻ってしまう あなたに会えてよかったと君は最後に言ったけど 大好きだったその黒い目は遅すぎたわと光ってた ピンと伸ばした背筋に君は強がりを見せて 一度だけ吸った唇にせつなさをのせて 今僕が君の肩を抱いても 君は帰る場所を変えられない 分かりきってたこの恋の終わりの忘れ方を君は知っている 泣かない約束しただろう さようなら好きだった人よ