外は 何時の間にか 土砂降りに 濡れて 蒼醒めた記憶を 呼び戻していく あの頃は若過ぎた なんて 口にしてしまえば 終りになるけど ふり返らず 出ていく背中を 止めもしないで 煌めいた 夏の日射しだけに 縋り付いている 雨音までも 聴こえない めぐらせた通りに 運ぶ風向きも ほろ苦く 残った 夢の 痕味も 本当の手応えと 云えば 積みかさねた物が 高く見えるけど 立ち尽くし 溜まる面影は 儚い灯り 今日でさえ やがて 窓をつたい落ちる 澪だと 知らされる瞬間 眼に映る 美しい出来事に こころから 動き出せたこと だけ 忘却れないで ふり返らず 出ていく背中を 止めもしないで 煌いた 夏の日射しだけに 縋り付いている 聴こえたの なら 立ち尽くし 溜まる面影は 儚い灯り 今日でさえ やがて 窓をつたい落ちる 澪だと めざめたのなら まだ間に合う ふり返らず 出ていく背中を 止めもしないで 煌いた 夏の日射しだけに 縋り付いている