きりんは、 たぶん宇宙から来た生物です その体中の模様 今では茶色い斑点でございますが 本当は色とりどり、 カラフルな色合い 怒っているときは赤 驚いたときには白と黒に点滅して 嬉しいときには虹色になるのです 夜になると、 斑点を一定の色に光らせて 故郷の星にメッセージを送ります 「やあやあ、今日も元気だよ」 そうすると故郷の星からも メッセージが返ってきます ある説では、そのメッセージが 流星群やオーロラだとも 言われているそうです きりんは、宇宙から来た生物です その証拠に、 頭に触覚が付いているでしょう? それに、「麒麟」 ってこんなにも複雑な漢字 宇宙で作られたものに 決まっています 「首を長くして待つ」というのは きりんが宇宙空間を漂っていた 長い長い歳月から 生まれた言葉なのです だからとりあえず 首を長くして待ちましょう とりあえず のんびり歩いていく 待ちながらも歩いていくのです テレビの中 ケニア ナミビアの広い原っぱ見ながら お茶の間は夕方で晩ごはん作る ママのまな板と包丁の音が トントンとどんどんと遠くなってく 上がってく 伸びってく 僕の首は長くなってく 育ってく 予感です 尖ってく 不安です ボディ&ソウル アンバランスなまま 生でダンス 踏むステップ ワンツ ワンツ オンザ畳 森は暗い 飛んだ小鳥 街は光 僕はひとり 成長期 ウィンドウに 吹いた風が 降った雨が 頭だけ濡らします 身体だけ暮らします フラッシュバック ジャングルと あの夏の雷雨! ダイブ! 雲の向こう 北北東 飛ぶUFOの遊歩道 渡り切った先に 月がクレーターには キツツキが見えた さらば引力たち 重力たち 足の速い友達たち そう決めた瞬間に 台所のお母さんが 大きな声で 「たけし、もうすぐ晩ごはんだよ」