水面に揺れ映る月は 今も同じ顔で 如月の風が和らぐ頃 また会いにくるよ 忘れじの言の葉 薄曇りの空に舞う 淡く透き通るか如き貴方の声が 聴こえてくる様な夢 泡沫(うたかた)の夢 冴ゆる夜明けの凛 耳を澄まし目を閉じれば 過ぎた日の残像が狂おしく 残響(おと)奏でる 玉響(たまゆら)のおとぎ草子 貴方は現(うつつ)の人… 舞い落ちた木の葉は ゆらり螺旋を描き 私の心なぞって土となるでしょう 淡く透き通るか如き貴方の声が 一片(ひとひら)の雪が如き 貴方の声が 鳶色の幻が魂に萌(きざ)すもの 鳶色の幻が魂に萌すもの 空蝉の亡き骸(なきがら)は 永久を彷徨うのでしょう