ないんだと思っただって透明だった 目的地はどこまでも遠く遠く思えた もしたどり着いたとして 何をしようか 夜の向こうは覗き込めないままで 諦めた今日を積み重ねてきた 喉元の言葉にNoって言う癖がついた 掃き溜めた昨日の中から 奇麗な思い出だけを拾って 浸っていたんだ 向かう先を見失って悲しくなって 誰かのせいにしたいと思った こんなんなら消えてしまいたいと 思う夜があった でもそのすべてを越えて来たんだ 僕にしか出来ないことってなんだ 思い出せ ここまで歩いてきたのは誰の足だ 世界を回せるのは誰だ 例えば10年後 今日を思い出すとして 僕は僕を誇らしく思えるんだろうか 例えば10年前の 今日を思い出したら 無我夢中な僕が笑っていた すべてが嫌になって愛せなくなって 自分さえ傷つけてしまって こんなんなら消えてしまえって 呪った日があった そんな世界で 僕の心が血を流せたなら 涙の色が見えたなら それを掬い取ってなにができた? 僕は優しくなれたかな? 彷徨い歩いた夜に光が射した 不意に消えてしまいそうな それに色を付けた あまりにも遠く見えて悲しくなった だけどこうやってまた歩いていける 「君にしか出来ないことってなんだ 思い出せ ここまで歩いてきたのは誰の足だ 世界を回せるのは」 僕だ 心臓が脈を打つ理由を探せ 自分にさえ邪魔をさせるな 千切れるくらい伸ばしても届かない 指の先へ 叫ぶんだ