霧の深い街道に佇み、朝に耽る 置いてかないで、置いてかないで 息継ぎ無しでここまで来た 僕も連れてって、ねえ連れてって なんでも言うことを聞くから 僕ら笑って泣いて喘いで怒って、 思いっきり息をした ねえ泣かないで、ねえ泣かないで これ以上優しくさせないで。 帰り道、ふたり 疲れてベンチでぐったり 僕らは世界から剥離した 緩んだマフラー巻き直した 「寒い?」 震えてた 「なんてことないよ」 と答える君に奪われていた 目を、 返してよ 解く指を 「取られたくないものは肌身離さず 持ってなさい」 __爪を立てて両手で握った。 置いてかないで、置いてかないで 息を切らしてここまで来た 僕も連れてって、ねえ連れてって あの日約束したじゃないか 僕ら笑って泣いて喘いで怒って、 息をするのはやめた ねえ泣かないで、ねえ泣かないで お願い、僕より苦しんで。