時計の針が鳴る 意味なく点ける薄明かり 外の風がやけに涼しくて 君を思い出した 時計の針が鳴る 4時半過ぎのジムノペディ 君のピアノを聴くのが好きだった 誰もいない教室で 秋の雨のような優しい音が 聞こえてくる あの日の私には何も 分からないままだった 憧れか恋か 君の指先と同じ細さで あの日の私から何も 変われてないようで ようやく気づいた時には 全てがあまりに遅すぎた だけど 秋の雨のような優しい音が 聞こえてくる 今も あまりに遅すぎて だけど 何もかも変わり果てた今だから もう一度 秋の雨のような優しい音を聞かせて もうずっとずっと前に忘れてたはず それなのに今になってどうして 帰り道君と見た花の名前も 夕闇も叶うことない約束も 君はまだどこかで弾いてるかな めくるめく季節の一瞬を