私の爪が朱く染まっているのも 気づかれないような暗がりの部屋で 褒めてもらえなかった指先は 行き先を持て余した いつだって分かってた その芝居がかった声は 嘘をつく君の癖、ああ、痛い いつか消えるから抜け出せない 息をする君の感覚 雑に混ぜたコーヒーが散って 大切な本にシミを作った 消せない微糖の広がりに 見覚えを感じた 見えるのは 無いものだけだ あの芝居がかった声は 嘘をつく君の癖、ああ、痛い おやすみもおはようも溶けて 残るのは朝焼けだけだ いなくなる時は 言ってくれると思ってたな 残るのは 残るのは 私だけだ