宇宙飛行士は旅に出るのに 不眠症な上にドライアイ 夢にまで見たんだ星間飛行 雨天なら気分次第 宇宙飛行士は旅に出るのに 無精者気取り 不治の病 濡れっぱなしのレインコートと 滲んだシンクの底 あれからどうしてこうなったんだと 嘆いて 瞼のプールに塩水を浮かべ 月を捕まえて ゆらり海底を伝うような ステップの果てに恋して 砂漠で惑って歌うような 拙い自由を愛したいよ 宇宙飛行士は旅に出るのに 夢見がちな上にパラノイア 防水布の白いハートも 涙で濡らしてる これからどうにか有視界飛行 軌道修正 犬掻き クロール 藻掻いてもベッドルーム 月は遠ざかって 水に飽きた魚のような 敢え無い哀しみを飲んだら どうせ月の裏側なんて ただの砂漠と 慰めよう 宇宙飛行士は部屋を出るのに 幾千年… 幾万年……