朝ガオ

歌詞

あれは小学２年の初夏 説明を聞いていた図書館 今度植えるアサガオの図鑑 配られた種に期待感 まだ芽の出ないアサガオ 隣の鉢でこぼれる笑顔 みんなのエム字型の双葉に 憎しみさえ覚えた　ひそかに 焦りはじめ　汗でジメジメ このザマはなんだ？　神様うらんだ 芽が出るとか　出ないとかは 問題じゃなくて 死んだ植木鉢を　抱え僕は 震えていた　息がつまったままで 人と比べ　とりのこされる それが凄く怖かった みんなと違う　それはイケナイ 言い聞かされてきたから 恥ずかしくて　自分を責めた 涙が頬を伝う 芽の出ないアサガオ 結局植えなおしたアサガオ でも全然こぼれぬ　笑顔 本当に育てたかった花 それはアサガオだったのかな でもみんながアサガオを育てる だから僕も同じ種を蒔く あの日から　同じことを 繰り返し 好きでもない　花の種を 咲かせるため　ただ必死に頑張った 褒められた　嬉しかった でもひどく疲れてた みんなと同じ　だから安心 そう信じて　頑張った 咲いた花は　人から見れば それはキレイな花だろう 灰色のアサガオ でも僕にすりゃ　ビクビクしながら みんなと同じ形にした花 一体　誰がため　育ててきたんだ？ いつまで誰かと比べ続けるんだ？ もう一人の僕の叫ぶ声が聞こえんだ 誰の目を　気にしてるの？ 好きな花を　育てるのが悪いの？ 水のやり方、光の当て方 揃える必要があるの？ 好きな花を　好きなように 育ててく幸せを 捨ててまで　隣、気にして 何を怯えてんの？ 僕は僕の好きな花を 好きに育て　咲かせたい 今からでも　間に合わせよう 大好きな種を蒔こう 止めとけ　とか、遅すぎる　とか 誰かが笑うだろう その誰かの　鉢の中は 似たような花が咲く 見栄　プライド　世間体は 刻んで肥料にして 僕は僕の好きな花を 咲かせるために行こう 夜咲いても朝ガオ 遅れたって朝ガオ やっと見つけた笑顔