通るべき道を通らず、藪の中を歩き 属性が決まらないと嘆き 人間の難しさに思い至っては 誰もがそうであるのだと 味のしない真実を噛みしめている 自分だけが 特別に落ちぶれていたくても 相対的にはましなのだと 外からも内からも声がして 誰かの歌詞を口ずさんで 達観する、 足掻くのは馬鹿がすること 何もかもをわかった気になり、 インスタント絶望 三分間の厭世、 世に希望などないのだと そして、潤いある舌の根のまま 月曜日の漫画欲しさにコンビニを 巡って 明日の朝ごはんを買い込んでいる それをあと五十年 あるいは六十年