履いた靴で季節を知ったんだ 真夜中つけたテレビが言っていた コートには未だ冬の残り香 もうこれがどれほど前のか 知らないんだ 慣れた僕はこのまま深く落ちてく 空が白い埃を捨てているように 雨が降り始めるんだ それが嫌で仕方がないんだ 雨は僕を溶かして 積み立てたものを流すんだ 重なったレイヤーが色を付けたんだ 透明はそれすら受け入れないんだ 冷えた空気は心そのもののように 乾きつくして折れて粉々になるんだ 雨が嘘を言うんだ それが怖くて耐えられないんだ 雨はこれを見越して 項垂れた僕を笑うんだ 不確かな目的地をここに決めたのは 僕だ 不確かな道のりを選んで始めたのも 僕なんだ 雨が降る