眠った街を抜け出して 2人で歩いた 雨の匂いがまだ残っている 隠していた話は もう、きっと僕は言えない 消えない夏を思い出している 悴んだ指は動かなくても ただ今は、 君と夜が終わるまで 泣き出した君は綺麗で もう見えない思い出に縋って (消えない、言えない、消えない) 言葉だけが水平線へ 言葉にすればするほどに 言いたかった事は 暈けてしまって、だから 「さよなら」は言えないまま シャッターの降りた商店街には 月明かりと二人分の足音だけ 響いていた 気の利いた事は言えないけど ただ今は、海に反射した月を 見ていたいんだ 泣き出した君は綺麗で もう見えない思い出に縋って (消えない、言えない、消えない) 言葉だけが水平線へ 言葉にすればするほどに 言いたかった事は 暈けてしまって、だから 「さよなら」は言えないまま 「君はもう 忘れてしまったかもしれないけど、 何気なく通った駅前の商店街。 古びたカフェ。 色んな場所に消えない記憶が 置かれていて きっともう忘れるなんて事は 出来ないと思ったんだ」 泣き出した君は綺麗で もう見えない思い出に縋って (消えない、言えない、消えない) 言葉だけが頭にあって 言葉にすればするほどに 伝わらない事は増えていって、 だけど 「さよなら」は言わなくちゃね 月はもう見えない