赤い花ひとひら月灯りに影が揺れて 咲き続けるはずの恋が またひとつ儚く散る 夜風にさらわれ髪がほどけた 淡い記憶が香り立つ 微睡む街を彷徨い あなた探して涙して 忘れたいと思うほどに廻る リコレクション なぞった指先がまだ疼く 紅椿 静かに咲いて この胸に紅を宿す この手にぬくもりを残す 春を待たず 散る運命でも 美しくありたい あなたとの思い出ごと 言葉よりも深いサイレンス 瞳の奥で嘘をつく 愛しさと痛みの間 私は何を守るのだろう 願いはいつでも残酷にフェードして 虚構と真実ほどに乖離していく 紅椿 雨に濡れても 紅は褪せたりしない 誰より強く咲くために 孤独さえ抱きしめながら あなたを愛したこと ただそれだけあればいいの 時が止まったような夜 あの日の夢がよみがえる 胸に残る微かな紅 まだ消えないまま 紅椿 散る刹那にも 心だけは咲いていたい 静寂に響く鼓動が 最期の詩奏でてる 愛してた証を 鮮烈に映して
