空の白いドアから 風に舞う紙飛行機が 僕の居ない朝を そっと誰かに告げていった 断続的目眩は 恐さをやわらげる為 サボテンの微粒子達が 鮮やかな色で見送ってくれた もう思い出す事も 出来なくなるから 白い白い世界に 歩いてゆくから あのドアの向こう側へ 全て白い極限の空の中 雲の揺り篭にそっとゆられて 深く目覚めない眠りならきっと この場所でも悪くはないはず あの日の散歩道で 畑仕事を終えた 老婆がくれたどんぐりを 握りしめたおかっぱ頭 帰りの夕焼け空は 僕を抱きしめて 寒い夜が来るまでの問 夜光虫は僕を包んだ