光一つも届かない 冷たくなったこの部屋で 最後になった揺り籠を 揺らしましょう 彼女は彼に笑顔と 無償の愛を捧げました サヨウナラのその時も こう言いました 『泣かないで 私はきっと あなたにこうされたいと望んだの 悔やまないで すぐに会えるから ねぇ もう 大丈夫 あなたはきっと 狂ってなんかないと思うの 少しだけ Unreal ただそれだけ』 彼は彼女の命を 自分の手で終わらせました 二人にとって何よりも大事な日でし た 鉄格子に囲まれ 死んでる目で息をして 何千回許されたあとも こう言いました 『この手は 血でふやけて 元にはもう戻らないけれど 悔やまないよ すぐに会えるから ねぇ でも 思い出して泣くよりずっと 思い出せないことに怯える 迷いはない 後悔もない 少しだけ 怖いけど…』 彼は今 最期の瞬間 震える心身と引換に 思い出すんだ 彼女の言葉を 今 今 『泣かないで 私はきっと あなたにこうされたいと望んだの 悔やまないで すぐに会えるから ねぇ もう 大丈夫 あなたはきっと 狂ってなんかないと思うの』 祝福の鐘が鳴り 足元が軽なり 今 会いに行く