こうして また膝を抱えている 一切の事柄 後ろめたいからさ 君の眠りを 誰も妨げないなら 僕に縋っていいんだよ ビニールの中で 命が終わることを 君は知っていたんでしょう あの真っ白い幾つかの壁に 僕はどうして手を触れてしまった 「落書きしようよ」そそのかされた 貴方に似た顔した路地裏の司祭 どうやら また君は泣いている ぶら下がった両手も 煩わしくなった 君の眠りを妨げたいけど いつも一人笑っている __石鹸の匂いで 「猫が壊れたおもちゃの様な 動きをしている」 __我に還る 「赤い脱脂綿が 床に散らばっている」 __海ぐらいのものに 「僕は飲まれる」 __僕は無ではない 「僕は無、以下」 あの真っ白い幾つかの壁に 僕はどうして手を触れてしまった 「落書きしようよ」そそのかされた 貴方と同じ顔だ「久しぶりだね」 いつかの集合住宅の庭 手を繋いだ影が揺れている 貴方は一生愛されて苦しむのだろう 気づかないうちに