内省だけが取り柄の 僕をあとどれだけ消せばいい 少しでも残せばすぐ再生 漫画の中だけにして そんなチート 埋まってく ただ埋まってく 誰の目も届かぬ僕を 見かねて 掘り出した 全部掘り出した 君に見合う謝辞 謝儀もないまま 静かに癒えた 「すべて許してしまう」 なんて言った あなたの 慈愛に似た脅迫が 靴底に住む砂利みたいで 歩くたび突き刺さる 最低限の制裁と 横顔が その顔が いつまでも痛いんだ 毒液の中でぼんやりと 生か死かの境すら曖昧になって 滅びるほどの弱さすら無いことを 初めて恨んだ すべて許してしまう なんて勿体ないこと 自供に似た恐喝で 僕は君を縛っていくから その前に どうか その手の錆びた刃で 手こずって 屠ればいい その方が いつまでも痛いから そのたびに甦るから いつまでも痛いんだ