感じている知っている 頬杖で傾いて 横顔を捕まえている 一層ひと思いにさあ 頷いて焼き付いて 手前で弁別(わきま)えちゃ 期待が砕けるわ 噫視(ああみ)ている刺している 眼差しが微笑んで この喉を結えている 一層ひと思いにさあ 貫いて噛み付いて 奥歯で躊躇(ためら)っちゃ 気管が縊(くび)れるわ 宵闇(よいやみ)は片袖を 逃げ出す露玉匿(かくま)った これまでもこのさきも あなたは一人しか居ないの 噫聴(ああき)こえる発している 口振りは華やいで この耳を戯(そば)えている 一層ひと思いにさあ 欺いて巻き付いて 黒眼で狼狽(うろた)えちゃ 鼓膜が強ばるわ 雨音は襟足の 僅かな言葉奪って行った どうしてもいますぐに あなたを滅茶苦茶にしたいの 限りある時間(とき) 逆さに数えて 離れられない 孤独が際立つのに 乾いた侭黙って寄添う 傘だけに見えてる 濡れた二人の前途(さき)へ 残された結末ならば 初風は振り向いた さ乱れ髪を弄んだ ほんとうならおしみなく あなたを独り占めしたいの