暗闇から連れ出してもらえたのは 紛れもなくあなたの手だったのに 背中向けて去ってゆくその姿に 触れることもしなかったのは自分の手 誰かの為生きるなど不可能だと 結局みんな独りだと言い訳して すぐ隣の口から出た言葉は この世の誰よりも優しかったのに あなたを守る為なら 全てを犠牲に出来ると思った ああ なんて浅ましい思い込みだ あなたが願いを一つ言う度 自分が死んでいくような気がした 水と油を 必死で混ぜようとしたんだ 愛してるふりをして Iだけを見ていたんだ 笑えるほど滑稽な 良くある話でしょ そうだよ 食べ残しのキャットフード バレないように書いた置き手紙 外は桜 花弁綺麗 私もこのまま散ってしまいたいな 「お前も一緒に来る?」 最後にミケに尋ねてみたけど あなたの方が良いみたいだから 私は一人で出て行くね 郵便受けに溜まったチラシ 使い古して曲がってく歯ブラシ 格好良くいたいと思うなら できる所から変えなきゃね 嫌なことをいつまでも引きずって 塞ぎ込む癖も今日までで終わり もしまたそうなった時はね ちゃんと誰かに話すんだよ ねぇ もしまた誰かと出会って 今度こそ幸せになる時にはね これで良いんだ これで良かったんだって 遠くでそっと笑ってみせてね 「誰かを不幸にしてまで手にする幸せ なんて汚いんだ」って それじゃ あなたにとってその人は ずっと汚いままの人なの?ねぇ? 誤魔化さないで ちゃんと答えて 自分自身を 裏切らないで さあ 答えが出たなら もう前を向かなくちゃ あなたに嫌われるのが怖くて 何も言えずに独りで泣いて あなたを何度も困らせるような こんな意気地なしの女より いつかは素敵な誰か見つけて 幸せで頬が溶けるくらいに この世の誰より笑っていてね この世の誰より好きだったあなたへ 人がいつか幸せに向かうのなら いつか皆幸せになれるのなら あなたとはどうして出逢ったのだろう 血塗れになるまで傷つけ合って 愛してるふりをして Iだけを見ていたんだ 笑えるほど滑稽な 良くある話でしょ 私が最後に守ったのは 私が最後に守れたのは あなたの手ではなかったんだ ごめんね さよなら さよなら