其の傷跡 消せはしないと 重く暗い 海の声を聞いた 枯れた藍が 咲く事あらず 腐敗すれば ただ堕ちゆくだけ 淡雪 ひらひら 舞う 深緋の記憶は 塗り替わらず 十六夜 想いは ばらばらになる 戯けて 嗤うは 何方様 切ない 綻び 見ておくれ 壊れた 姿を 無様な 有り様 粉々になる 無邪気に 嗤うは 何方様 姿の 見え無い 屍の私が 消える日まで 錆びた針は 抜けぬようにと 尚も深く 朽ち果て行くまで 淡雪 ひらひら 舞う 凍えた空虚な 空… 不気味に微笑んで唄う 痛みは 無色で 無機質な 鳥篭 瞼の裏焼付く 地獄の中で 無意味に 慰め合う 赦しを… ただ 足掻いて 踠いて 粉々になる 無邪気に 嗤うは 何方様 自ら 汚れた道 選んだ 私が 馬鹿なだけ 十六夜 想いは ばらばらになる 戯けて 嗤うは 何方様 切ない 綻び 見ておくれ 私が 消える日まで