楽しいことなんて 何もないね 不意にそんな言葉 君が言うたびに 僕は、 ねえ うんと遠くへ ああ 行ってみたいな まぁでも 無理だよね 溶けてきたアイス こぼれないように 楽しいことなんて 何もないね 夕方 横顔の 君が笑うから うなずいたら 少し ひりひりして そんなことないよと 言いかけてやめた 僕は、 もうこんなときにも カレーのにおいだ ねぇ おなかすいたね あかりが灯る 早く帰らなくちゃ いいよ いいよ 僕も忙しいんだ なんで 嘘をついたのだ 好きだって言ってた音楽とか アイスも マンチカンも へんなアイドルも 小さな特別になってゆくよ なんかごめん だけど 気づいてないよね 君は 楽しいことなんて 何もないね 不意にそんな言葉 言うたびに 僕は、 人混みに押されて 落とさないで そんなことないよと ちゃんと言いたくて アイスが溶ける前に 君に