寄せては返す 詮のないことを 思い出すのにかまけて 抱えて潰える オチのない夢 途絶えた日記の最後のページに 残った褪せた写真 どこまで逃げたって ただそこにいる 名前のない怪物の元へ 僕が溶け出す それはまるで許しを乞うみたいに 乱反射して この瞳の中 像を結んで 映っているのは 自分を庇うためだけのまやかし ねぇ 目を覚まして 機械仕掛けの彼が思うのは 発条が回っているから? いかにもなことで彼女が笑うのは 本当に可笑しかったから? どうかしてるよ 自分のことだってろくに 知りもしないのに 例えばあのピエロの化粧を剥がして 本当にシケた面なのか 賭けでもしようぜ 毒に冒されて潰れた目で 正しく君が見えるだろうか 僕に許されることがあるのなら 一つでも教えてくれないか 嗚呼 流れる星の行方も僕ら知らないのに そこに祈りだとか 願いをのせようとするんだ どこまで逃げたって ただそこにいる 夜を飲み込んだ黒い海が 逆さまにした月を掬った 照らされていたのは そこに立つ君で あるいは僕の輪郭だ 簡単なことさ 僕らは誰も 何にしたって ありのままは見えない だから 歪なままでも良い 繋がって傷をつけ合って それじゃ、またね
