堤防が迷いもなく なぞる河沿いの夜 覗き込めば歪んで見えた 二つの顔と月の光 針を刺す虫が残した跡を 搔きむしりながら 見えない未来を探していた クーラーの効かない白いワゴン車 片手にハンドル 片手にもう一つの手 忘れたころにすれ違う街路灯 はるか向こうに見えたのは 母校の校舎と霞んだ明日 そこに行けば君はいるかな? そこに行けばどこまで戻れるかな? 月と太陽が繰り返したルーティン 覗き込めばシワの増えた 一つの顔と月の光 言うこときかないガタついた身体 片手にペンと 片手に残る感触 太陽が溶かしてくれるインクで はるか向こう見える君に 最初で最期に伝えたい さよなら さよなら さよなら 愛してた さよなら さよなら 希望の花よ さよなら