ちょうどいい箱を見つけたんだ 僕の頭がすっぽり入るくらいの ふたつの小さな丸をあけて 今日からこれが僕の顔 通りすがりのお姉さんも 同じような箱を被ってたんだ なにも見えないはずなのになんだか 笑顔がとても綺麗だった なにを見て なにを感じ わかったつもりになってくんだろう 知ってるよ 君は僕を このまま覆っておきたいんだろう 僕が泣いていても気づかぬなら とても楽だろうよ箱の中 いくら泣いていてもいいのならば ずっとここにいたい 箱越しの君は大事そうに 美味しいものさえ恵んでくれた だけど夜の吹き荒れた風から 守ってくれはしないんだね 見つめもせず 見られもせず 覗いたままで去ってくんだろう 待ってるよ 君は僕を このまま放っておかないだろう 誰が泣いていても気づけぬなら とても酷だろうよ箱の中 いつか脱ぎ去ってもいいのだけど もっとここにいたい 帰る場所なんてそれは幻想 存在証明そんなものはない 君がおいでと言ってくれなくちゃ また同じような箱を被る 君がそばにいても触れられぬなら とても苦しいよ箱の外 いくら泣いていてもいいのならば 君とここにいたい 僕が泣いていても気づかぬなら とても楽だろうよ箱の中 いくら泣いていてもいいのならば ずっとここにいたい