今この国に私は存在していない 捨てられたテレビの亡霊が 目を覚ますように平成の終わりを 告げる 泣き止むように命が尽きるように 呼んでもいないのに 会える気がして 今日の終わりに明かりを 消してみるの 信じるものが私にもあれば このときめきを 抱きとめられるだろう 行く先を決めたら夢を乗せて アトムが動き出すよ プルトニウムの雹が降っている その中心で記憶を抱いていたい 西日のような光が射して あなたの顔がその中へ溶けてゆく 見届けられずに灰になるの 誰もが選ばれずに スクロールはヒートアップして 私が燃え上がるお前らのせいで ずっと明日を迎えない人の 背後に陽が落ちるように きっとこれからとめどない 儀式が繰り返されてゆく
