取り残されないはずの世界で 水面に漂う一人きり 総てに開かれし扉でさえも 届かない 陸の上 頼みの綱は糸よりも細く 捕まえる希望も掴めない 空のボトルを 投げつけるだけの一人芝居よ 言葉を理解して 呼吸も違わないのに 手の届く水際の向こう 埋め尽くした空気が押し返すから 当たり前の風の中 歩くこともできずに 手を差し伸べてくれていた 皆もいずれ離れて それでもなお、この陸じゃ 個性と呼びたがるから 嘘のない場を求め 全て海に流すよ 区別と差別の区別がつかずに 無闇にずらされる境目 尖った声に寄り添った耳よ、 聞こえてますか? 優等生を演じて居心地が悪くなって 自覚なく逃げ続ける人生に涙する この優しい世界 いつだってそうやって 不透明な革新みたいなものを 起こそうと意図的に間違った 正義を確信させたり 純粋に平等を目指して話すのも所詮 マジョリティ 冷めた目で隔心だけ置いて 響きだけ良さそうな言葉には必ずや 毒がある 隠された核心見抜いて 斜め上がどこかさえ 見失いそうになる 空模様を読むように繊細な目を 持って 抗っても 越えられない高い壁があるから 綺麗事を横目に 七割の海、泳ぐよ