かえるのうた みたいに 音をたててたんだ みんな ぼくが何を言っても わからないみたい ふとんに くるまれるとき まどから 月が見えたよ 大きなかげが さそった あそびに行こう くじらの背中に 乗って 遠くまで 行ったよ 雲をかきわけて 進んで 太陽を 見てきたよ それから ぼくたちは 友達に なったよ むねのふるえ、色やかたちで わかりあえるんだ 毎晩 ぼうけんに行った たからものも 見つけたよ さくらの日も 雪の日も ずっと いっしょさ くじらの背中に 乗って 遠くまで 行ったよ いつのまにか 身長も 大きく のびてたよ ある朝 くじらがしゃべった 君はもう 大丈夫さ そろそろ おうちに帰ろう またねって 手をふった あれから くじらはもう むかえに 来なかった 月あかりの中で 目をとじ 「おやすみ」と 言ったよ