愛情が注がれていく 少しずつ肥えていく 満たされて、浸されて、 募っていく 生まれた意味を授けた 貴女に焦がれ、焦がされる 宝の花飾りも、 色褪せたフィルムも、 燃やされて、塗り潰され、 灰となる 最期にこの眼で見た笑顔は 涙と狂気に塗れてた なんて悲劇を抱えたまま 壊れ、崩れ、 果ててゆくのでしょう さあ、憐れみと慰みの此の祈り 捧げましょう 肺を焼き尽くしたこの痛みも、 オルゴールが刻む子守唄も、 過ちすら、私を象る全てなの 周りの誰もが貴女を責めても、 罪の果てを私は受け入れるよ 途切れ落ちた、回路 惨状と虚ろな光景 黒く歪な情景 目が覚めて、熱は冷め、 鼓動は失く 吐き気すら感じることが出来ない 燃殻を眺めてた 神がこの世にいるのなら、 どうしてこんな罰を 私に与えたの? ただ、夢見てた、焦がれてた、 愛してた、だけなのに そっと貴女だった髪と肌に 触れることすら叶わないのかな 覚めない温度 置き去りにされたこの心 傍で打ち捨てられた 二つの残骸には興味も示せないよ 貴女しか見えない 罠を張った蜘蛛は 少しずつ二羽の蝶の 羽根を噛み潰す 気づかれないように 時間を掛けて喰らった 毒を以て最後の仕上げに 心を磨り潰す 汚れを残さず剥いで 綺麗な私の完成 貴女と二人きりだね それだけが望みだったのに この手に残ったのは意思だけ でも気づいたの 貴女の中で綺麗なまま 私は生きていける 冷めない夢の中心で 熱を帯びた想いが届いたんだ 零れてゆく身体を見つめ ささやかな「アイ」を捧ぐ