一度壊れてしまえばもう二度と元には戻らない 君はもう僕を忘れてしまっただろうか 行けるのなら 風がめくる頁 色褪せた写真 物語は続いている 遠くに見えていた今もいつかは想い出になる 振り返る絵には僕独り あれから何度書き直しても出せなかった君への手紙 来るはずのない返事を待つ 返し忘れていた君の愛した詩集からこぼれる 押し花は月日を重ねた分だけ美しく蘇る 懐かしい 今はなき街路樹がそよぎ 鮮やかに色付いていく 並んで歩いていた道 若葉が茂る頃には 恐いものなどなかったのに 積もる落ち葉に雪化粧が施される季節はきっと 心も暖を求めている 囲んだ炎の中に今も愛している君を見つけた わかってくれるだろうか 過ぎ去りし僕らの日々に 新しい花を咲かせよう あの日遠くに見えていた今もいつかは想い出になる 振り返る絵には君がいた