「やあ、この春は何をしてる?僕らにぴったりなやつがあるんだけど!」
主演だけでなく、プロデューサーも務めるライアン・レイノルズから、『ナイト ミュージアム』(06年)の監督 ショーン・レヴィに宛てたメールから製作がスタートしました。
映画は、20世紀フォックス時代に進められ、ディズニーに買収された後も継続され完成しました。
強盗・乱闘など何でもありの過激なビデオゲームの世界で、
背景として生きるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)たちに意識があったとしたら、
彼らの人生はどんなものなのだろう? というアイデアから生まれました。
ライアン・レイノルズは、この作品を《現代版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』》と称しているそうです。
本作の舞台は、《バイオレンス満載》の何でもアリなオンライン参加型アクションゲーム、
監督は、
「まず、僕たちはこのゲームの世界を『GTA(グランド・セフト・オート)』や『フォートナイト』を思い出させるようなものにしようと決めた。
『HALO』の要素も入れようってね。
そして、多くのゲーム会社が彼らのアイコニックなゲームのイメージをこの映画の一部にしたがってくれたんだ。
それは本作がゲームそのものについてだけでなく、
ゲーマーたちやそのコミュニティについての映画だったからだと思う」
と、言ってます。
そんな “フリー・シティ” の世界。
ライアン・レイノルズが演じる主人公は、ゲームの背景にいるだけの、平凡で退屈な毎日を繰り返す《ゲームのモブキャラ》ガイ。
ある日、彼は《モロトフ・ガール》(ジョディ・カマー)という女性キャラに一目惚れ。
プレイヤーである彼女から、「レベル100まで上げてから出直してきて」と言われてしまいます。
するとガイは、 新しい自分に生まれ変わるため、
ゲーム内のプログラムや設定を無視し独自に行動を開始し、レベルアップを目指します。
“超いい人”なガイの活躍 は、ゲームキャラの衣装から「ブルーシャツガイ」と呼ばれ
ゲーム内だけでなく、現実世界でも話題となり、
全世界のプレイヤーが画面の中のガイを応援するようになります。
一方、“フリー・シティ”を運営するゲーム会社〈スナミ〉の社長アントワン(タイカ・ワイティティ)は、商売優先の男。
次作の “フリー・シティ 2” の販売の邪魔になりそうなガイ を消去しようとしていた。
また、実はこのゲームは、キーズ(ジョー・キーリー)と
ゲーム内では《モロトフ・ガール》を名乗るミリーが作ってたインディーズゲームの盗作で
ミリーは、その証拠をゲーム内で探っていた……
ライアン・レイノルズは、
「僕にとって『フリーガイ』の最も好きな点は、
現在の(映画)市場においては非常に珍しく、非常に難しいと思われることをやっているところ。
つまり、オリジナルのアイディアだけで大ヒット映画を作るということ。
IP(著作物)でもなく、続編でもなく、コミックをベースにしているわけでもなく、何もベースにしていないんだ」
キャラとして《デッドプール》は出さないの?…と言う問いかけに
「ビデオゲームの世界という、人々がよく知っているコンセプトやアイデアをベースにしている。
そんな機会を得られたことが嬉しかったから、デッドプールを登場させる必要があるとは思っていなかった。
彼はそこにフィットしないからだ。
ディズニーで仕事をすることになったおかげで、いくつかの大きなサプライズはあるよ。
でも、そうだね、デッドプールを入れることは考えていなかった」
と、言ってます。
監督は、
「圧倒的なアクションシーンがたくさんあるんだ。
武術での格闘もあれば、チェイスシーンもあるし、
ちょっと『インセプション』みたいに不思議で『ドクター・ストレンジ』のような世界がシフトする幻覚的なものもあるよ。
ゲームの世界では文字通りどんなことでも可能で、現実世界の法則に従う必要がなかったから」
と、語ります。
また、
「再編集や再撮影はしなかったけど、2020年の3月、4月、5月、6月に何をしたかと言えば、
ビジュアル・エフェクトにもっと層を加えようと取り組んだんだ。
その過程でゲームからの引用ももっと増えた。
戦車がドライブスルーにあるシーンなんかは、脚本にも初期のカットにもなくて、
僕が映画を500回観て『背景の生活が十分に描けてないかも』と付け加えたものだ。
僕は自分がゲームの歴史の専門家じゃないとわかっていたから、
美術部門やビジュアル・エフェクト部門の僕より若くてクールな人たちに囲まれることにした。
そして、意見を聞いたんだ。アイデアはいろんなところから出て来て、その多くが映画に取り入れられることになったんだよ」
と楽しげに振り返りました。
劇中、作品の主題歌の様にかかる
1995年にリリースされた、マライア・キャリーの『ファンタジー』。
米ビルボード・チャート “Billboard Hot 100”で史上初の女性歌手による初登場1位を獲得し、8週連続1位を記録したマライアの代表曲。
この曲を取り入れたきっかけについて、レヴィ監督は
「僕たちが当初脚本を練っていたときに、ライアンが、
『本作の全編と、宣伝活動で一貫してシンボルとすべき曲は何だと思う?』
と言いながらマライアの曲を提案してくれたんだ。
ライアンは見事な曲のアイデアを思い付く達人なんだよ!」と打ち明けます。
ライアン・レイノルズは
「当初は違う曲を使う予定だったんだけど、なかなか合わなくて、突如、『ファンタジー』が良いと閃いたんだ。
劇中の大半で、作品の機動力になってくれた。最高だよ!」
と、言ってます。
ヒロインのモロトフ・ガール/ミリーを演じたジョディ・カマーも
「『ファンタジー』がフィーチャーされているのはとても美しいシーンばかりで、
胸を打つ場面にもなっているよ」と絶賛しています。
最後に、ライアン・レイノルズは
「本作の舞台となるゲームの世界には、あらゆるシーンがイースター・エッグ(隠しメッセージ)に満ちているよ。
興味深いアイテムが映画の中に詰め込まれているから、それもきっと楽しんでもらえるよ」と言ってます。
カメオ出演的な、驚きの展開ありで、劇場 大興奮!
2021年8月13日 日米同時公開の本作、
アメリカでは「今年最も笑える」(DEADLINE)
「史上最高のゲーム映画」(Screenran)
「夏ぴったりな爽快感あふれる映画」(VITAL THRILLS)
など、大絶賛評が続出!
2021年、大注目の作品です。
日本ネタも多いですよ。
『800 Two Lap Runners』(94年)で、名だたる映画賞の新人賞を取り、
現在、ロサンゼルス在住の野村祐人(のむら ゆうじん)も、《ブルーシャツガイ》の日本での人気を伝えるレポーター役で出演。
ぜひ、御覧下さい!
映画の後、また お会いしましょうね。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ(淀川長治 調)
《作品データ》
映画『フリー・ガイ』
公開:2021年8月13日(金)
※2021年5月21日(金)から公開延期となった。
監督:ショーン・レヴィ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
出演:
ライアン・レイノルズ……『デッドプール』(16年)
ジョディ・カマー……『キリング・イヴ/Killing Eve』(18年)
ジョー・キーリー……『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(16年)
タイカ・ワイティティ……『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17年…監督)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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