抱きしめて、ぎゅっと。 熱をちょうだい。 身体を裂いて、中までよく見て。 布団に隠れて、声をひそめて、 まるでなんだか悪いコトみたい。 「朝陽が射すまでずっとこうして」 それならもういっそ、 朝よ来ないで。 悲しい話になってしまうなら、 間違ったままの時間が続け。 あやふやな言葉で愛と知るのなら、 柔らかなこの身体、 めちゃくちゃにしたら? 吸い込まれた理性があなたを 無視して混ざり合う。 声も出ないテディベア。 つかれた身体に熱を残して。 全てが終わって、ふたりが残って、 朝陽も射して、熱も冷めて。 「悲しい話になってしまったね」 間違った過去がまた刻まれたね。 力の入らぬ継ぎ接いだ身体。 抜け殻みたいに意味なく笑う。 「抱き心地だけは逸品」なんて 失礼しちゃうわ、馬鹿にしないで! 何もない部屋から言葉まで消えた。 名前さえ呼べないや。 何も言えないや。 吐き出された理性が乱暴な欲をなぎ 捨てる。 立ち尽くしたテディベア。 すがるように自分の肩を抱いた。 ただ、あなたに恋した。 高鳴る胸は暖かかった。 この気持ちが嘘なら“あなたが 好き”も辞められるのに。 呑み込まれた理性があなたを 無視して欲張る。 愛想尽きたテディベア。 何も言わず抱きしめられたなら。