流れていく、 ただ流れていく街を僕は愛おしく 思えたんだ。 雨雲はただ揺れるよう。 ただ泳ぐよう。ただ洗うよう。 「さようなら」その一言が 僕には重く感じられないんだ。 咲く花はただ揺れるよう。 ただ踊るよう。ただ笑うよう。 ああ、 僕らが生きたかけがえのない日々は 想い出の中でしか 存在しないかなあ。 ああ、 それでも僕は今を 生きているんだよ。 君を忘れるために歌うよ。 壊れていく、 今壊れていく僕を君はどんな目で 見ているかなあ。 寒空はただ沁みるよう。 ただ染めるよう。ただ試すよう。 かじかんだ指、アーケード、 アコギを鳴らす古町6番町。 想い出はただ滲むよう。 ただ霞むよう。ただ泣かすよう。 ああ、 僕らが描いた夢とかいうやつは あの雲や空よりも壮大なのかなあ。 ああ、そんなことはもう、 どうでもいいんだよ。 また、一つ忘れるため歌うよ。 ああ、 嫌ってくらいに涙まで流れて、 絞り出した歌はまだ 届いていないよなあ。 ああ、 それでも僕は 歌い続けているんだよ。 また一つ忘れるまで歌うよ。 流れていく、ただ流れていく。 歌うよ、歌うよ。