下道だけを縫って たどり着いた 何も見えぬ街は 影を反射して 眩しさを逃がす たとえ 銃声が響いたって 野良猫は 欠伸を繰り返すだけ ネアと鳴いて 膨らんで膿んだ幻想がこびりついて 引っ掻いた傷が 今も残っている 浮き足立った 世界の心情は 油彩の面相 重なるほど 交わり やがて 無になっていくと知って 片手に持つ 5分 命の減殺は 10ミリのメンソール 行く宛てもない旅路に 君は何思う 嗚呼 溺るるに浅く 浸るには深く 潤けた足の 感覚はない 明くる日の夕立はいくらか 肌に馴染んだんだ 野良猫は 今日も行き場を探す いつかこんな街にだって きっと花は咲く 「さよなら二十一世紀」と泣いて 劣情が産んだ血痕はこびりついて 引っ掻いた傷は 今も残っている 浮き足立った 世界の心情は 油彩の面相 重なるほど 交わり やがて 無になっていくと知って 片手に持つ 5分 命の減殺は 10ミリのメンソール 行く宛てもない旅路に 君は何思う 嗚呼 溺るるに浅く 浸るには深く 冷たさこそ 分かれど 潤けた足の 感覚はない