夜に咳がとまらなくなって 昔読んだ本を 再び読んでいた ずっと何かをたどっているような そんな感覚で ただ 時間が過ぎていった きみのことが どうしようもなく好きで だんだん 苦しくなっていくのは わかっていた ずっと ぼんやりと 同じ感覚 水面を平行に泳いでいく つまらない顔 きみを じっと 見つめたいのに 拠り所がなくて 掴むものもなくて 行き場のない あたたかい夜の匂い ずっと同じ 日々をくりかえしていく きみのことが好きで どうしようもなくて かなしい 裏返してみたら 急に平気になるのかな 辛いのはわかっている ただ 少しだけ 紛らわせるものがあるなら 拠り所もない 掴むものもない 何度も訪れる 夜の中を歩く きみのことを 考えている 諦めようと思って でも また 考えている きみの心の中にいたい つまらない また 夜の中を歩く