片付かない部屋でまたベルが鳴り、 驚いて水を溢して床が濡れる 足の裏に破いた封筒の 切れ端が張り付いて 苛立ちがどうしようもなくて 顔を殴った 日々は冴えもないし 意味も別にないし 温度の機微を感じられるほど 肌は敏感じゃないし 要すれば日記には日付だけ、 髪は脂ぎったオードトワレ 頭のなか俺に似ない俺が 笑ってるからまあいいか 知らない速度の鼓動に焦っても ろくに言えない、恥ずかしい 外の空気を吸って なんか変わればと思っても 冷たい酸素が 肺を満たしていく 寒い 言葉が象った形の 真ん中を知りたいだけ ブルーライトで目が焼けて、 厚い空気の層に阻まれて 青いような暗いような、 少なくとも遠い染み 水が上から下へ循環する 俺は下から下へと一直線 その先は善と信じてる、 この息はもっと楽になる 見えない欲の底を 漁ってもべつに消えないから もういっそ無視していたい 傷ばかり触っていても治らないよ、 そんなの分かってる 外の空気を吸って なんか変わればと思っても 冷たい酸素が 肺を満たしていく 寒い 言葉が象った形の 真ん中を知りたいだけ 弧の一端が象った形の 真ん中を知りたいだけ 言葉が象った形の 真ん中を知りたいだけ